担当妊婦さんのお産 at ゆいクリニック

今回、2回目となるゆいクリニックでの受け持ちの方のお産。

一昨年前、この方の3番目君をたまたまゆいクリニックで担当し、今回4人目ちゃんもお願いしたいということで担当になった。時々、自宅健診をはさみながら、クリニックと連携して妊娠中の健診をサポート。38週頃からおなかのはりがちょこちょこあって、連絡を時折受けながら、その時を待っていた。

38週の時に、一度、陣痛が来たかもということで、ゆいクリニックに行った。

表情は産む顔をしていて、陣痛も10分以内できている。これはこのまま強くなっていけばお産になるなって思った。けれどもお風呂に入ってリラックスしたら翌日には遠のいてしまった。(これを、いわゆる前駆陣痛という)

こんな風に、陣痛が始まったかもしれないと、フライングで何回か来る方はよくいる。

お産が早そうな方、遠方の方、どうしても先手を打って病院に受診するのは仕方ないこと。

申し訳ないなんて思わなくていい。産婦人科的にはあるあるだから。

予定日を3日過ぎて、天皇誕生日祝日の振り替え日。

朝7時前、初めて出血まじりのおしるしがあったとLINEが入る。

でもまだ陣痛は強くなさそう。午前中は自宅で様子をみてみることにする。

お昼頃、一度診察の希望があり自宅へ訪問。

陣痛間隔はまださほど短くなっていないが、内診をすると5センチ。

これはクリニックに行ったほうがよさそうと判断し、一緒にクリニックに向かう。

14時すぎ、クリニックに到着する。まだあんまり強くなさそう。会話も普通にできる。でも一度フライングした経験から、あんまりリラックスすると陣痛が遠のいてしまうと思っている。どうしようかな。ゆっくりじっくり待つしかないかな。会話で楽しんだり、腰をさわってみたり、何でスイッチが入るのか探りつつ様子をみる。

夕方6時を過ぎたあたりから、徐々に痛みが増して、陣痛間隔もせばまってきた。

本人も、やっと本気の陣痛がきたと思った様子。

会話ができなくなってきた。

ベビーがくる、と英語で伝えてきた。

どんと強くなるかと思ったら、1時間ほどしてもまだ強くならない。本人も立ったり膝立ちしたりして疲労が見えてきた。少し横になってみる。

内診すると10センチ全部開いており、破水で陣痛増強を試みる。

そして四つん這いになってみるとぐんとベビーがおりてきた。

よし、今回こそ本当にくる。

数回の陣痛でベビーの頭が見え始めた。

そして、頭がはまり、ゆっくりとお顔がでてきた。

会陰が切れないように、いきまないで、陣痛と重力の力のみで。

そしてお顔が全部でた。

おへそが首に巻いてないか確認すると巻いていて、それを解除する。

そのまま身体もでてくれるか少し手で誘導するも出てこず、次の陣痛を待つ。

そして次の陣痛に合わせてベビーの身体が出てくるのをサポートする。

ベビーの左腕にもへその緒が1回巻いていて、それも解除する。

そしてベビーが出産となった。

はじめ、なかなか産声をあげず、背中や足を刺激した。そしてほどなくして「おぎゃ~~」と泣き出した。この声を聴いて一同安堵する。

ママもパパもやっと産まれてきた、と嬉しいような、達成感のような、そんな満足した顔をしていた。

ベビーの元気さを確認したら、次はママの出血、そして会陰が切れていないかどうか。

出血はだらだらし始めたため、早めに止血剤の注射を使用。会陰は切れていなかった。

無事に二人の状態が落ち着くの待って、お産サポート終了となった。

今回のサポートは、いつもの自宅出産サポートと違って一人きりで待つサポートだったのだけど、でもやっぱりこの方のお産のサポートがしたい、そしてできる環境を持っていることはこの上なく幸せだなと思った。

ランナーズハイみたいな、お産サポートしながら嬉しくて心地よくて、疲れも空腹も感じなくて、幸せだなと思えるのは、やっぱりこの仕事が好きだからだと思った。

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