Jさんのお産

前回投稿したHさんのお産から5日後、Jさんの自宅出産を担当しました。

Jさんは初めての妊娠で、自宅出産をしたいとゆいクリニックを受診しました。私は初産婦さんについては、自宅での健診をしてみて、本人のやる気や身体の状態、フィーリングを確認してからお受けするようにしています。Jさんと話し、自宅健診を行い、きっと信頼関係を築いていける、自宅出産のサポートできると決心し、お受けすることにしました。

Jさんは医療者でもあるため、身体作りのことはよくわかっていました。食事にも気を使い、ビタミン補給のためのサプリなどもとっていました。メンタル的にも怖がらず、努力することを怠らない方でした。36週に入り、おなかがはりやすくなってきました。37週以降でないと自宅出産はできないため、少し安静にするように伝えました。

38週1日お昼過ぎ、陣痛が始まったと連絡がありました。すぐに通訳りんさんとともに自宅に向かいました。前駆陣痛(にせものの陣痛とも言われます、陣痛みたいなはりがくるがその後に消失する陣痛のこと)かもしれないと思いましたが、自宅に到着し本人の様子を確認すると、これは本陣痛だなと確信、サポートの助産師たちを呼びました。

少しずつ陣痛が強くなるけどもまだ話したり笑ったりする余裕がある感じ。夕方頃、だんだん強くなっていた陣痛が弱くなってきたかも。ちょっと休んだほうがよさそう。満潮の夜7時前くらいからまた徐々に強くなってきた、そして水中出産希望だったのでプールの中へ。なぜかお湯がでないアクシデントが起こり、部屋を暖めたり、ポットで温めたお湯を入れたりしました。(これは後から笑い話になりました)プール内の水が冷たいためベッドで産むことを提案しましたが、水の中で産みたいとのこと。そして、夜8時を過ぎて、赤ちゃんの袋が見えてきました。そして、頭がでてきて赤ちゃんを包んでいる羊膜がやぶれ、次の陣痛で赤ちゃんの身体がでてきてJさんに抱き上げてもらいました。

赤ちゃんはすぐに泣いてみんな安堵。ママもパパもやり切った表情でとても感動的でした。

次にでてくる胎盤も水の中で出したいと。出血量が分からないためプールからでてほしいと提案しましたが、プール内で出したいとのこと。しばらく待ったのですが、やはり胎盤が出ないため説得してベッドにあがってもらいました。なんとか胎盤も無事に出て、Jさんが希望していたへその緒をロウで焼いて切断してもらいました。

二人とも産後の身体の状態も問題なく、私たちはお産後3時間ほどして帰宅しました。

産後翌日からの健診、はじめ順調に経過していたのですが、4日目頃から赤ちゃんの黄疸値が上がってきました。ゆいクリニックを受診し、光線療法という治療をしました。そして、無事に黄疸の値も下がり、自宅に戻りました。

かわいいチャーミングなJさん。お産サポートできて本当によかったです。初産婦さんをお受けすることは私自身もとても勇気のいることで、何日かかかるかもしれないし、自分の家族のことも考えたりします。でも、努力するJさんの姿勢は素晴らしく、そして私たちも少しずつ信頼関係ができたのかなとうれしく思います。今後も様子を見に行きながら、Jさん家族とつながっていけたらいいなと思います。ありがとう。

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