ゆいクリニックでの受け持ち、妊娠~お産、産後まで。

ゆいクリニックに通う妊婦さんから、受け持ちの依頼があり、担当させてもらいました。Iさんは、助産師でもあり、一昨年前に4人目の赤ちゃんをゆいでお産された方。

ゆいクリニックの受診時の助産師外来の担当、お産はIさん専属で待機し、お産サポート、産後は退院後の受診の際の担当と、ずーっと担当していくということ。

Iさんからの依頼を聞いた時、Iさんの他に自宅出産の方のお産を受けていたので、お産が完全に重なってしまった場合は先に受けた方を優先することを承諾していただき、お受けしました。

Iさんは助産師であるため、必要な知識は持っているし、子育ても慣れている方。外来で担当していくことで互いを知り、信頼を築いていくという時間だなと思っていました。もしかしたら38週くらいにはお産になるかも~なんてお互いに思っていたけど、以外にも予定日を超えました。はじめの頃は助産師であるIさんという感じだったのだけど、だんだんと助産師という肩書きが私の中で外れていきました。それが私にとってもすごくよかった。Iさんが一人の妊婦さんになっていった。そしてこれまでのIさんのお産の経験もシェアしながら、今回のこの子へのベストを尽くそうと私の中で少しずつ想いが形になっていきました。タイミングが合えばランチでもしたいと思っていて、それも実現しました。妊婦さんと担当助産師って、友達ではないけど、同士のような、サポーターなのだけど信頼関係で結ばれたバディいう感じ。

ランチ2日後の真夜中、ついに陣痛がきた!と連絡が入りました。(自宅出産の方は先に終わっていたので安心してIさんお産を待ってました)

先にゆいクリニックに到着した私は、いつでもお産になっていいように物の準備をして、もしもお風呂に入れたらと念のためお風呂の湯をためて。クリニックにやってきたIさんは、4~5分間隔の陣痛で、まだ話せる余裕はあるけど数時間ではお産になるだろうと思ってました。子どもたちもみんな立ち会うということで、まだ朝4時頃ではあるけども、みんなちょっとハイテンションで、お産の時を待っていました。

が、しかし、なかなか陣痛が縮まらず、赤ちゃんが降りてくる感じがしない、ついに長男くんは眠ってしまい、後から次女ちゃんまで眠ってしまいました。(一番幼い次女ちゃんが眠ったことで安心したと後からIさんは話してくれました)

朝になり、お産を進めるためにお風呂に入ることを提案すると、入ってみると。お風呂に入ってリラックスしたら、ぐっと陣痛が強くなりました。お風呂からナースコールがなり、赤ちゃんが出そうと。すぐに支えながらマットレスに移動。やっと出てきてくれるとIさんもいきむ。ゆっくりゆっくり羊膜の袋を被ったままの頭が見えてきてお顔がでてきました。(破水していない場合、袋のまま出てくることがあります)自分で袋を手で破る?と聞いてIさんトライしてみますが、破れないためこちらで破りました。そして首にへその緒が巻いていないか確認すると巻いていて、それを解除しようにもきつくて出来ず、そのまま身体がでてくるときに解除しながらでてくるのを手伝おうとするとなんと首に3回も巻いていて、足にもおそらく巻いていて、とにかく巻いてるそれらをはずすことに苦労しました。時間にすると数秒だと思うけど、こちらはドキドキはらはらしました。(へその緒がたくさん巻いててなかなか降りられなかったのね~)そしてやっとはずれて赤ちゃんをママが抱き上げ胸の上に。無事におぎゃ~と泣いてくれて、Iさんの喜びの涙の声にこちらも心の中で感動していました。

赤ちゃんの様子はもう一人の助産師に診てもらいつつ、私は胎盤がでるのをサポート。出血が早くから始まり、量も通常より多めですぐに止血剤の注射と点滴を依頼。胎盤がでても、まだ子宮の筋肉がゆるんでいて、きゅっと収縮するようにおなかをマッサージしたり、膣内からも圧迫して止血を試みます。なんとか出血は収まり、Iさんの状態も悪化なくお産は終了しました。お産のお部屋で2時間様子を見て、そして入院部屋へ車いすで移動、そのまま母子同室で退院まで過ごします。お部屋の移動までサポートさせてもらい、私のサポートは終了しました。

終わってしまうとあっという間だったような、でもゆっくりと関わっていった妊娠期間、お産を待っている時間、そしてお産のサポート。どれもIさんのことを想いつつ、Iさんのお産を楽しみに待ちつつ、タイミングが合うことを願いつつ。私にとっても良い時間でした。Iさんにも赤ちゃんにもIさんファミリーにも、ありがとう。

継続ケアという、同じ助産師がずっとその妊婦さんをみていくことは、信頼関係においても、身体を診ていくということにおいても有益だと思っています。

継続ケアを望むことは、施設によっては難しいかもしれないし、ゆいクリニックの中でも助産師によっては選択できないこともあるかもしれません。それでも、何か望む形や方法をとれないか、妊婦さんから声をあげることが大事だと思います。

関連記事

PAGE TOP